起きたら全部夢で、夢の話は全部忘れちゃうの。

私はまだまだ子供のままで、これから起こる未来の出来事なんか何も知らずに毎日を笑って過ごす。
少しずつズレた未来は、夢の内容とは全く違うものへと変わっていってしまう。

もしそうだったら、こうやって出会った人々を全員知ること無く、『私』の存在も無くなる。



言葉なんか曖昧な物。
曖昧だけど、ハッキリと手に触れて意味を確かめたい。


些細なことならば。
嘘ならば。
その場限りの約束ならば。
セールストークならば。
出任せの言葉だったならば。

忘れてしまいたいならば。


忘れてもいいよ。



楽しかった記憶は、僕が覚えていればいいから。

例え君が忘れても、僕が覚えているから、それでいい。





夢から覚めたあと、楽しかったことを覚えていたら、また夢を見たくなる。


夢の中くらい、現実とは違う楽しい世界を過ごしたい。


それって、とても気持ちいい。




さぁ。

夢の中へ。

心地好い眠りを、供に。


夢に意識を搦め捕られて、二度と目覚めない永遠の幻に溺れましょう。


それはとても、残酷な夢。