彼女なりの譲歩の仕方だったんでしょう。
ただし、それが相手に伝わらなかったというだけで。
そんなものですよ。
それを、繰り返すんです、きっと。
そんなに薬を飲んでも死ねないのに、何をしてるんですか。
下手したら、日曜日のお仕事に響きますよ。
またそれで落ち込むんですから、やめておきなさい。
だったらそこで、沈んでいて下さい。
その方がよっぽどマシです。
破玲がひどく興奮状態なので、久しぶりに顔を出してみる。
君と近いのかな。
まぁ、代返してるようなものだからさ。
理由なんかは君がよく分かってるんじゃないかな。
きっと、焦り。
色んな事への焦りだと思うよ。
冷静になれとは言わないし。
考えを持つのは大事。
出来るなら、誰かと腰を据えて君が色々思うことを話した方がいいんじゃないかな。
それが、例え突拍子も無いことでもね。
落ち着けないのは、わかってるから。
ただ、誰にも話せない焦りは。
持ってても害にしかならないと、思うけどね。
自分達だけがコイツの唯一の理解者?
違うね。
俺は言い切れる。
逆に誰も誰かを理解なんてできやしねぇ。
だってソイツはソイツで、それ以外じゃねーからだ。
ダチだって、どこまでを知ってるかって話しだ。
自分の都合のいいこと言ってくれるやつが理解者?
そりゃ自分にとって都合良いだけのヤツだろうが。
何だかんだで、自分のことは自分が、一番知ってるもんだ。
それ以外として、周りの目があって。
ソイツはソイツで自分を見てる。
誰も理解なんてしちゃくれねーよ。
でも、心配だから、ソイツなりの努力でもって近寄ってくんだろうが。
それを無下にするのか、受け入れるかはまた別の話だ。
コイツの母親は、昔はそら酷かった。
中途半端に干渉しちゃ、コイツがキレて血まみれの出来上がりだ。
それでも、幾分かはマシにゃったんじゃね。
ちょっと変わった言い方すりゃ、流した血の文、得られた関係でもあるんだろうさ。
コイツも耐えた。
けど母親も耐えたんだろうさ。
コイツの罵声罵倒も、拒絶も、耐えたんだろうさ。
そこまで時間がかかった。
そんなもんだろ。
だって肉親ったって、他人なんだ。
肉親だから特別なわけでもなんでもねぇさ。
なんて、思った。
おわり。
自分のハジマリなんて知らん。
産まれる、とか。
想像できん。
俺はどうして此処に居るのかも、知らん。
けどなにかとても大事なものを抱えてるのは、感じてる。
“知っている”ではない。
所詮はコイツの脳内で。
都合のいいように出来上がった妄想の産物。
そん位は自覚してる。
そうでも思ってねぇと、今の現状を誰か論理的に説明出来んのかっていう。
疑問に思うことは沢山ある。
なんで思考で会話できんのかとか。
なんでわらわら人影が見えるのかとか。
俺たちの住んでる世界と、外の世界は勿論違う。
とかな。
考えてもしゃーねぇわ。
最近アレだな。
外と話しねぇから。
思考が随分と自己寄りになってら。