所はバルセロナ。
とある丘の上。
私の目の前に現れた猫。
別の観光客が手を伸ばすも嫌そうに逃れていた猫。
なぜかこちらへ恐る恐るやってきて。
私が手を伸ばすと首を差し出してくる。
私の顔へ首を伸ばす。
撫でるとくすぐったそうにぐるぐる。
止めると後ろを向いてお座り。
また撫でるとくすぐったそうにぐるぐる。
止めるとお座り。
じゃあね。
…
悲しそうにゆっくり追いかけてくる猫。
少し離れると悲しそうな目でこちらを見る。
ごめんね。
もう行かなきゃ。
たった5分ほどの事なのに、どうしてこんなに心に残るのだろうね。
キスでもしたら姿を変えたんだろうか。
いやいやまさか。
そんな筈は。