少数より多数を。多数より力ある一握りを。
切り捨て、踏み躙り、己が守る命を選別する。
できるのだ。それのみが救いへの道であると、あの人なら高らかに告げるだろう。
指先で鉄の冷たさを確かめる。

「だけど、私はそれを選ばない」