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二千九年最後の日


例えば、俺は何故こいつが愛しくてならないのだろうと思わない事もない。それは決してこの感情を否定するものではないのだが、理由はと聞かれれば「こいつがこいつだったから」などと頭の悪い答えしか浮かびそうもなかった。

蜜柑を剥く姿勢に見て見ぬふりをして、想い人の体を軽く引き寄せた。勢いで指を滑らせたらしいが、気付かない素振りで髪を手で梳く。
女ほど手入れはされていないが一通り整えられた髪は、思った通りの触感でするりと抜けていく。機嫌を損ねたわけではないが、少しばかり不服そうに高杉が口を開いた。

「…皮」

「あ?」

「途中で切れちまった」

「あらー…」

どうやら他より固かったそれの皮を繋げたまま剥こうとしていたらしい。だが元々気紛れの挑戦だったのか、まあいいの一言で済まされた。

身をつまみ上げ口に運ぶ姿すらかわいいと思うのは自分だけなのだろうという自覚はある。かといって理解が出来るわけではないが。
冷静に考えて分からない方が自然ではあるだろう。二十を越えた男が蜜柑を食べる所がかわいいだの、一歩引いた言葉に置き換えれば狂気の沙汰としか思えない発言だ。
男だ女だは今更の話だが、それでもやはり男なものは男であるし、かわいくないものはどうやったってかわいくないはずなのだが。むしろさっきの早々の諦めぶりは潔く男らしい限りであったと思う。

ふと銀ちゃんのせいアル!と喚くオレンジ頭の小娘を思い出す。そういえば本来あれこそかわいいと呼ぶべき部類ではなかったか。
そう思いかけた所で首を緩く左右に振る。あんな凶暴な胃袋の化身をかわいいと呼ぶくらいなら、地蔵を愛でた方がまだマシだ。
当の神楽は志村家のテレビで紅白を全力で楽しんでいる事だろう。

あの賑やかさの中で過ごしたいと思う気持ちがないわけではない。が、何分少し照れくさいのと、今日は何より江戸が一年で一番静かな日なのだ。せめて最後の日ぐらいは、とささやかな欲を許してしまった己に苦笑せずにはいられない。
心臓が静かに弾み続けている。とくとく、とくとく、響く小刻みなその音に、一体幾つだよと唇を歪ませる。

幸せなのだろう、と思うとどうにも堪えきれなくなって、一層ぎゅうと抱きすくめる。息がしにくくて適わねえ。腕の中に埋もれた高杉がおかしそうにそう言うものだから、ますますおかしくなって額に額を擦り寄せた。
ああ、おかしい、おかしい。おかしくなりそうな程の愛しさだ。
髪をぐしゃりと掴まれて、一方的なキスをされた。見知った角度でつり上がる口端。クツクツと喉から音がする。

「いつまで経ってもこの髪はストレートになりゃしねーなァ」

「うるせーよ。どっかの誰かがくしゃくしゃに掴むから直るもんも直らないんじゃないの」

「知ってるか、銀時ィ。最初からそうなものは元に戻るとは呼ばねーんだそうだ」

「あらそうなの。それじゃてめーの嫌みも一生そのまんまって事か」

「クク、残念な事になァ」

今度はこちらから口を塞いだ。これ以上はくすぐったくていけない。どうにもこうにもむず痒くて仕方ないのだ。底無しのそれがそこにはあった。
ちゅ、と一つ音を立てて離れる。柑橘類の甘酸っぱさが内側に残って、口の中に小さく染みついていた。

「除夜の鐘が鳴ったらよ」

身を乗り出して首に腕を掛け直す。首裏に顔を寄せるともう短い後ろ髪しか目には映らない。

「縁日でも行かねーか」

その言葉に肩越しでも高杉がきょとりとしたのが分かってついふき出してしまった。そんなに珍しそうな顔をしなくたっていいのに。
俺には余程寝正月のイメージがついてしまっているようだ。普段の態度が態度なのでまあ仕方はないのだけれど。

寒いぜ、と高杉が問う。ふらりとした印象の割には、意外に冬でも背筋を伸ばして歩くのがこの男だ。尤も寒かろうが何だろうが一度本気で言い出せば聞かないと分かっているのか、言葉は問いというよりも確認のそれだった。
諦めと愛しさの入り混じった手のひらが後頭部に優しく触れる感触。滲んだ温かさに得体の知れない何かが零れ落ちそうになった事には気付かないでおいた。

「いいんだよ、それでも」

たまにはらしい事させろっての。
呟いたそれがどう響いたかは分からないが、きっと高杉の唇はゆうるりと弧を描いたのだろう。
愛しいと思う。他でもない彼が。手放したくないなと思ってしまう。
来年を誓えるような間柄ではないが、今は手の内に温度を留めておきたかった。


しんしんと。しんしんと。
やがて響く鐘はまだ遠い。




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というわけでいつの間にか大晦日ですね。そしてまさかの小話エンド(笑)
2010年て…2000年が始まってもう10年て。もう2000年台の方に長く生きてる事になるとか驚愕ですよ…

今日から四日まで田舎で過ごしています。紅白ネタ使ったわりには誰もつまらなさがって見ないのでアンビリバボーがついてる始末。これもそのうち変えられるかもしれないけど(笑)
雪が降ってます。明日は英語やらなきゃ、な…!

今年も皆様お世話になりました。休止してた上になかなかいい年とも悪い年ともつきませんでしたが、下準備みたいなものができたんではないかなとか思っています。
明日から一応サイト復活となります。更新頻度がどうなるやらではありますが、ちゃんといいものが載せられるように精一杯やりたいと思っています。

これが今年最後の日記になるかと思います。残り短い2009年ですが、どうぞ皆様、よいお年を!

寒いか眠いかどっちかにしろ!


やべえあと数日で2010年だよとまでは焦ってはいないですが、本当に課題やら何やら後回しで良かったのかという疑問は残ります。明日から暫く田舎にいてパソコンの類は触れないのでまあ間違ってはないだろうけど。
来年に向けてやり残しは無くしたいですが、かといって私が新年からと言ってスタートダッシュ決められる人間かと言われればそうではないので、敢えて今日はいくつかやり残しをしておこうかと思います。線画だけペン入れとか。
ていうか私はマックさん対応の動画編集ソフトをそろそろ探さないといけないような。計画も計画だし私も何も出来ないし、なんというか非対応のものが多いのだけは少しだけ厄介ですね。まあ基本は絵が描けたら後はさほど困らないからいいんですが。

何かやり逃したつもりはないのにどうももやもやしてならないです。一体何をしたらこれは消えるんだろう。
とりあえずは年賀状がちゃんと届くように祈っとこうと思います。時々あるんだよな、送ってもらったはずのやつが来ない事がさ…(笑)


今日で企画でメールをいただいた方へのお返事は終了したかと思います。一足早いですが、皆様本当にご参加ありがとうございました。
万一正月を過ぎても届かない等の不具合が起こりました場合は再度送り直しますので、その時は遠慮なくご報告ください。

百枚舌


しらをきる事はできても嘘を吐くのをどうやら何かが許してくれなかったりします。それでも吐いてorzってなるんですけども。
しらをきるならそれは私の中で完全に無かった事とすれば貫き通せるんですが、嘘は貫けても嘘と知っているからかどうにも気持ちがついてきません。事実を無かった事ではなく別のもので隠す事になるからかしら。わからない。
嘘が全面的に悪いわけじゃないのを知っていてなおこれって、一体嘘の何を遠ざけてるんだろうと少し疑問に思っています。まあ全面肯定できるものでもないんだろうけどね。


なにやらiMovieがうまく言う事を聞いてくれずにムキーっとなったついでに私は絵が描きたいのか漫画描きたいのかどっちかなと思ってみたら、そういや昔から描いてたのは台詞付き一コマ漫画だったのだっけと思い出したりしてみました。人が何もしてないとそりゃ違和感があるわけだ。
私の絵ってなんだろうともよっとしていたけれど、どちらかといえば色とか線とかいうよりは人が意思を持って動かないという選択肢を含めて何かをしていてこそだったんじゃないかな、とちょっと復習。実際の所どうだか知りません。ただ私らしさってなんだろうなと考えてももしかしたらしょうがないかもしれない事がたまに気になったりもします。
結局の所、らしさもなにも何しようがやったのが桐生ならどれも桐生なんじゃねっていう…まあいいよねとりあえずはそういう事で…orz

出没率が銀魂<桐生で申し訳ないです。此処何サイトなの?桐生サイトなの?←
でも今は口を開いても銀さんかっこいい惚れるとかしか言わない気がします。映画公式サイトのカウントダウンflashに心臓持ってかれ気味なので。
やばいよ…高杉あの胸元に頭から飛び込んでいけばいいのに…(テンション上昇中につき普段自重している発言が零れ出ていますご了承ください)
ていうかサイト的に一番自重すべきでない発言を自重してどうすんだってね。むっつりですみませんorz


あーああ話かきたい、な!漫画でも文でも!
もう話が横っ飛びになってもいいや自重なるべく禁止。後から纏めれば大丈夫だろ。

いつ出来るんだか


ポッキー途中経過

なんだか軽いノリだと私は攘夷ズCPにこういう印象を持っているようですね。シリアスするとまた変わってきますけど。
銀高でシリアスでバワーバランスが拮抗したものをかこうとするとよく膠着状態に陥って銀高でなく私がイライラするという事態が起きています。お前らどっちでもいいから動けェェみたいな。


以下なんだかうっかり死ネタ混じり風味。




一般的に萌えるものを軽くひっくり返したくらいのものに私はどうも燃えるらしいです。勿論前者に萌えないとかじゃなく。
病身の高杉と銀時は萌えですが病身の銀時と高杉はなんとなく燃え。高杉だとリアルに死にそうですが銀時だと死に損なったかァ?みたいな会話が出来そう。
いつだか見かけた高杉病気ネタの高桂にいい意味でショックを受けています。銀時病気ネタ銀高はどう扱ったらいいのかまだ分からないんですが、高杉病気ネタ高銀は普通にいけそう。殺したいわけではないけれど。

なんかなー…死ぬ銀時っていうのがどこかピンとこないらしい。ピンとこないけれど、「あのアホが死ぬわけないアル」っていう感じの台詞だけは浮かぶので、そうならない前提の話だけれど、もしそうなったとしてもみんなそんな気持ちのような気がする。
別に扱う予定はないけれど、私ならひねくれたまま突っ走ってやらかしかねないなとも思います。悲痛なものがないんじゃないけれど、認めて見送るか、誰もいない所で歯あ食いしばって拳骨で壁全力で殴るか、なんというか男らしいと言うのも変なのだけれど、反応が女の子のようじゃないといいなとか。
泣くなとは言わない。泣けないのでないのなら押し込めて泣くかいっそ叫ぶのもありかもしれないが。
いや…有りとか無しとかいう問題じゃなかったですけどね。刺さるから泣きはするけど好き好んでるわけではないです。

そういえばサイトに戻る前に此処が銀高なのか銀高銀なのかはっきりさせたいなと思いつつ既に四日前になっていました。NO…
高銀を高銀としてはあまり扱わなさそうなんですが、うちのが銀高っていうか銀高銀的な銀高にたまに見えて、あ、でも精神面の話だからな…いいか表記は銀高で…
気持ちと見え方と表記のズレがなんだか面倒です。まあ気にしない気にしない。


さっきから妙な眠気がします。なんでだ…

何処に身を置けば


うっかりmixiしたりtwitterしてみたりで、何処で何を発言すべきやらとあわあわしています。JFサイトにも結局形だけ日記置いちゃったし…JF好きだけど思ってた以上に私は銀魂銀高攘夷ズにお熱のようだよ。ただ新刊出たら叫びが酷い事になりそうだけど。
ここで銀魂話して向こうで時々イルゲネスしてまではいいんだけど、リアルタイムと何を分ければ都合がいいんだtwitter。漫画じゃない事とかその辺?
銀魂サイトになれば総ては丸く収まるんだぜというセルフサービスな悪魔の囁きが聞こえます。制限無理にでも大袈裟に外しとかないと好き勝手やれなくなるからそれはやらないんだからなギリギリギリギリ


近頃の金遣い的な話で、私はちゃんとバイトすべきだなと思ったんですが、もう二度と同じ所へは行くもんか的なものでまあどうしたもんやらなと。中華料理店くらいしかないんですよ高校生。来年度の方が選択肢増えるけど。
やりたい事はちゃんとしとこうと思ったはいいんですが、まあ、うん…正面入り口何処だ…orz
だいぶマシにはなったものの未だに人見知り全開です。どっちにしろ2月まで動けないんだから今は他の事してろ私。

とりあえず
・借りた漫画と本読む
・古紙回収ひとまとめ
・ガンダム
・やれる事に手をつけておく
・課題
・サイト復帰と更新

一月末まではこんな感じでいこう。よっし。
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