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戦場の天使

死者を癒す医者は居てはいけないのか?

生者だけが尊い訳では無いのにー…


バラバラの四肢

胸元の深い爪痕

帰りたい場所があったのでしょうに…

死者は生き返らない

だからせめて、元の姿に近付けさせる

無駄だと、愚かだと言われるでしょう

私は、私に出来る事を、したい

貴方があの日私を動かしたから

この力は戦う力には非力

そうと解って廃墟に立つ私は…

戦う為では無く、守り癒す為なのかも知れない

非力な私は、最近は待機が多くて

廃墟に向かう仲間をただ見送る日々

偶に薬品を渡すだけ

何時か帰らなくなるのではないか?

致命傷を負ってはいないだろうか…?

不安は尽き無くて

それでも信じて待つと、決めたからー…

何時か見た廃墟の死者

帰りたい場所が有ったでしょう

もう一度、逢いたい人が居たのでしょう…

私に出来る、僅かな事

名も知らない貴方

痛みも悲しみも

もう届かないとして、まだ苦しんでいるなら…

ほんの少しだけで良い貴方の辛さを拭えますか?

「言いたい事があるみたいだ…」

私には見えない貴方を見つめて彼は口を開いた

「…有り難う、だってさー…」

微笑を乗せ穏やかな声はもう話せない貴方の言葉を紡ぐ

「無事に逝けるさ」

私は何度も彼に救われている

私は何時か貴方の死に顔を見るのかしら…?

無茶をする皆を大切に想う貴方が一番無茶をしていると、解っている?

欠けた人はもう戻らないのに…

死者も生者も

命の姿

確かに燃えて輝いた存在

どちらも尊くて

儚くてー…

私は今も

ただひたすらに医師として出来る事をして行きたかったー…
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