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夏の空色

漣「あ゙〜…疲れた」

突然の来訪者はそんな愚痴をこぼすと一直線に俺の座るベッドに倒れ込む

本に向けていた視線を外しもぞもぞと上がり込む赤に目をやった

鏡人「漣…此処は俺の部屋なんだが…?」

漣「知ってる」

もぞもぞ動いていた漣は俺に背を向ける体勢で落ち着いた様だ

鏡人「……自室で寝たらどうだ?」

レンズ越しに見るも動く気配は無い

鏡人「…漣」

漣「五月蠅ぇ…どっか行けば良いだろ〜?」

呆れた…部屋主を追い出した挙げ句昼寝を決め込むとは…

いや、ある意味漣らしいとも言えるな…

仕方ない、この場合は意地でも動かないのが漣なのだ

俺は本を閉じると立ち上がり、ドアへと向かう

鏡人「…図書館に行って来る…」

告げると見向きもせずだらしない状態で手を振られてしまった

やれやれ、当分は図書館で時間を潰す事になってしまった…

軽く肩を落とした俺は静かに廊下を歩き始めたー…




数時間後


呆れた…実に呆れた…

頃合いとみて戻った部屋には相変わらず赤があった

しかも大の字で独占している

小さく溜息を吐き

薄いタオルを掛け直し

鬱陶しく張り付いている髪を払ってやる

規則正しい呼吸は深い眠りを示している様だ

全く、此処まで無防備なのも珍しい

カタリ、と開いた窓辺に背を預ける

空は快晴

風はカーテンを揺らし涼しく部屋を巡る

もう暫くはこの静寂も悪くない

そう思う

夏の午後ー…
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