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rain fall black

雨が降る

黒い雨は総てに溶けて滲んで行ったー…


真っ白い世界だ

何も無い


この場所は何も描かれず

あの場所は真っ黒に塗り潰してやった

クルクルと回すペンを取り

黒い、白い、線を描く

白を侵す様に

黒を裂く様に

剥き出しの肌に染み着いていく文様

拘束された意志を解き放つ色彩

この世界の創造者であり破壊者

その目指すインスピレーションに近付ける

白と黒の世界で


motherの定型文に従っていた俺は彼奴とは違う

あの人はそんなイレギュラーを望んでいたんだろう

予定通りに、鴉は籠を飛びだした

それもまた計算の内とも知らずに

埋め尽くす

溺れていく

鴉が得た数式

その度に修正の器

統合し削除し付け加える

ただ、線は途切れず

未だ浸食を続ける

籠から放たれた

外界の色を知る

白黒の世界はやがて色彩に変わる

描く

その線は数多の数式

その色は本質の象徴

狭く白い世界は黒く

黒い世界には白が差し込まれた

交わって一つになって

もっと感じていけば良い

カチッ

投げ出したインク切れのペン

描かれたある世界の象徴

途切れた線を補いに行こう

鴉の身体に刻まれて

俺の身体に描かれる

昔の俺が言った

此のゲームに上がりは無いと

口元を歪め鴉は言った

俺は俺のヤリ方で上がってみせると

黒でも白でもない翼

今から捕らえに行くよ

此のゲームに上がりがあったとして、俺は上がる意欲は無い

貪欲な目で鴉は嘲笑する

そうして白と黒の世界を引き裂いていった







我ながら変な夢を見たのは

灯の消えた部屋

描きかけの印に黒い雨音のせいなのか

音も無く染め上げられ

沈む黒い海

そんな俺を彼奴はどう思うのか?

寝呆けた頭で外を見つめて

ガラスに写る人影に苦笑

軋むベッドに溺れてしまえ

変わったんだよ

侵されて歪んで象った姿は

また瞼を閉じる

暗い雨音

今度は染め上げてくれよ?

沈む波に不適に笑ったー…
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