歯科では、一連の治療の中に保険適用と適用外が混在することもよくあります。
しかし、インプラントの場合、ほぼ全て保険適用外です。
保険が適用されればありがたいのですが、インプラント治療と一口に言っても他の人工歯を使った治療に比べて検査、土台となるあごの骨の管理、人工歯調整、手術とかなりの手間がかかるためです。
インプラントをあごの骨に埋め込むだけでなく、インプラントと周りの歯がなじんで上手く噛めるようになるまで時間もかかるのでトータルの治療費用は高額になってきます。
治療の一部を保険適用にするだけでも、健康保険の赤字がいっそう増え、結局は被保険者の負担が増えることになるので、保険適用にはならないのです。
喫煙によって、インプラント治療が影響を受ける可能性はかなり大きいというべきでしょう。
インプラント治療は数ヶ月かけるつもりで始めなければなりませんが、手術後に周辺組織が形成され、インプラントがあごにしっかり固定されることが治療成功の絶対条件となります。
周辺組織の回復をすすめ、インプラントを固定させるために、タバコに含まれるニコチンや一酸化炭素といった物質が相当の妨げになります。
快適に使えるインプラントを手に入れたいなら、思い切って、治療が終わるまでの間はがんばって禁煙に励みましょう。
インプラントは人工歯なので虫歯になる可能性はゼロですが、インプラント周囲の組織に異常が起こることはあります。
長期間快適にインプラントを使うためには日頃のケアが重要で、歯周病を予防するために、毎日のセルフケアと定期検診は手を抜くことができません。
けれども、万が一歯茎が腫れたり、インプラントの周りで出血があったりすれば歯周病の一種、インプラント周囲炎かもしれません。
放置は禁物で、炎症がひどくなる一方ですから即刻診断を受ける必要があります。
チタンでできた人工歯根をあごに埋め込むのがインプラント治療ですが、チタンは骨との親和性が高く材質やコーティングの進歩によって、アレルギーもほとんど起こらなくなっています。
治療を始めるにあたっては頭部CT、あご周辺のレントゲン、口腔内検査といったいろいろな検査を実施し、その結果を見て本格的な治療がスタートするので安心して治療を受けることができます。
また、治療そのものと同じくらい大事なメンテナンスを欠かさず継続することで安全性が高まり、長く快適に使えるようになります。
インプラント治療が難しいとされる最大の理由は、失敗すると、やり直しが非常に困難な治療だということです。
自分の歯にかぶせるクラウンやブリッジと異なり人工歯根は完全にあごの骨と結合しなければならないので万一、人工物のインプラントと自分の骨が周辺組織によってなじむことなくインプラントの定着がみられなかった場合、再手術を迫られ、骨をさらに削って修復するという治療しかなくなります。
それに、埋入手術の際には周辺の神経を損傷する危険性もあります。
例外はありますが、インプラント治療は普通は保険適用外で、全て自己負担ですが、医療費控除で払ったお金を取り戻すことはできます。
確定申告の一項目として、医療費控除は医療費を収入から引くサービスを受けられます。
確定申告で忘れてはならないのは歯科医で発行した領収書は医療費を払った唯一の証明ですからもらったものはしっかり取っておいて他の医療費とともに、1年分をもれなく保管してください。
インプラント治療によって義歯が使えるようになるまで、大きな3つの関門があります。
最初に人工歯根を、歯茎を切り開いてあごの骨を掘ったところに埋め込みます。
人工歯根があごの骨、及び周辺組織と結びつき、固まるのを待って、三番目として、歯根にアタッチメント(連結部分)をはめ込み、その上から義歯をかぶせて完成というのがだいたいの流れです。
人工物を骨に埋め込むのですから、組織が歯根の周りにできて骨に定着するまでには時間がかかり、この間、2ヶ月から6ヶ月、じっくり待っていることが大事です。
インプラント治療の開始から、本格的な義歯を入れるまでにおおよそ3ヶ月から10ヶ月かかると押さえてください。