インプラントは、人工歯根と義歯をアバットメントで接続するものですが、各パーツがどのように繋がっているかによって、複数のタイプに分類することができます。
骨に埋め込む歯根部と、義歯を装着する支台部が一体になっているのを1ピースタイプといいます。
それ以外に、アバットメントが人工歯根から分離している2ピース・インプラントがあります。
この2ピースタイプはさらに、人工歯根にアバットメントを接続する部位の形で、歯根側が凸になっているエクスターナルタイプと、歯根側が凹になっているインターナルタイプに分かれており、それぞれ特性が異なります。
どんな治療法にもリスクや問題はありますが、インプラント治療の最大のリスクは失敗すると、やり直しが非常に困難な治療だということです。
他の義歯、つまり入れ歯やブリッジ、クラウンとは異なり人工歯根は完全にあごの骨と結合しなければならないので時間をかけてもインプラントと骨の間に組織が形成されず、インプラントが定着しなければ普通は再手術しか手段はなく、骨を深く削る大がかりなことになってしまいます。
そして、インプラントの埋入にはあごの骨を削るので、手術時に神経を損傷する危険を伴います。
一般的なインプラント治療は、3つのハードルを越えなければなりません。
一番に歯茎の切開、あごの骨へ人工歯根を埋入、あごの骨や周辺組織と人工歯根がなじむのを待ち、固まったことを確認してから、それからアタッチメントという連結部分をはめ込み、義歯をつける、というのが大まかなプロセスです。
この中では、人工歯根があごの骨に定着するまでに時間がかかり、あごの骨の状態や、その人の体質にもよりますが、最短で2ヶ月、最長で6ヶ月はかかると思ってください。
インプラント治療の開始から、本格的な義歯を入れるまでにおおよそ3ヶ月から10ヶ月かかると押さえてください。
インプラント治療のほとんどが全部自費治療ですから、費用を払いきれるかどうか心配になる方も決して少なくありません。
そのような実態を踏まえ、クレジットカード払いができるところや、例えば、デンタルローンと呼ばれるような独自の分割払いを取り入れた歯科医院が増え、柔軟な対応ができるようになっています。
費用全てを現金で一度に支払えなくても、自分が希望する治療を始めることはできるケースが増えました。
インプラント治療で人工歯根の上に装着する人工歯には、多くの場合、セラミックが使用されています。
セラミックの利点は、プラスチックの差し歯よりも硬く、歯磨きで劣化しないことですが、見た目と機能に優れたセラミックの歯を形成できるかどうかは、作成を担当する歯科技工士の技量がモノを言います。
人工歯の製作には、高い技術と美的センスが要求される作業です。
当然、一つ一つの義歯の作成には時間もかかるので、技術的なコストもかかり、インプラントの治療費は高くなるのです。