繰り返し伸ばした指先が、君に触れる事は有るのだろうか?


彼は世界を幸福にする事を、望んだ。
彼は彼女を救えない事を、知った。
彼は大切なモノを取り返すと、誓った。
彼はもう一度相対する事を、決めた。
彼は世界を壊してでも生きると、足掻いた。
彼はその手を汚す事を、選んだ。
彼は全てが意味の在る無意味と、感じた。


彼は。

そう『彼』は、
一体『誰』だったのだろうか?