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崩懐の音色

時々、思うんだー…

―――――ーーーーーーーーーーーーーー



外は晴れ、でもスッキリしてない

携帯のプログラムは起動中

黒光りするその脚に俺は背を預けている

ポーン…と軽快な音が頭上を撥ねた

軽く頭を動かし、視線を斜め上に向ける

「ぼんやりするのは構わないが、俺を巻き込んでいる事を忘れるな」

端正な顔で含み笑顔なコイツはサラリとした髪の向こうで赤茶とも赤紫とも言える瞳が俺を射抜いている

笑っていても、胡散臭ぇ…

柔和な笑みなんてコイツには無い

常に余裕そうな、それでいて癇に障る笑いだ

フン、と鼻で笑い視線を戻す

「…ヤらないなら好きにさせて貰うぞ?」

言うや否や、適当に並べられた旋律が辺りを流れた

意図してない、何となくの集合体

空っぽの躯に染み渡る

「あぁ…死にてぇなぁ〜…」

ぼそり、呟く

「お前は存外Mだな」

クククッ、と笑われる

抗議を込めて半眼で睨む

「生きたがる癖に死にたがりで、撃ち抜けるのにそうしない」

愉しそうな口調に尚更腹立つ

「…死んでみれば良い」

驚く程呆気なく、ソイツは勧めた

ピクリ、と動いた左手で、白い銃を取り出す

音色は曲調を変えて響く

何かを渇望する様に

言い知れない焦燥感と虚無感

何も無くなっちまったら…

カチリ、と安全装置を外す

一発の実弾を孕んだ弾薬庫

勢いよく回転させる

カラカラと鳴る音は、旋律に溶けて混ざる

勢いよく装填し、こめかみに添える

冷たく、硬い口づけ…

刹那


銃声が拡散する



細い指が白を弾いて空に留まる



静寂










「どうだ?気分良かっただろう…?」

ニヤニヤと笑う悪魔の声に瞼を上げる

「イク事は出来たか?」

「………阿呆…」

クックック、と小気味良く笑われる

「…コイツは俺を殺してくれねぇんだよ…」

白い銃を眺め、薄笑い


まだ、赦さない


それでも良いぜ…?



「…ならば…」

背後から伸びる腕に絡められる

「せめて愉しめ」

締め上げられる、堕ちる

ゆっくりと霞む視界を狭めて

目覚めぬ夢を望むんだー…





「ククッ…、だからお前は生きるべきだ」

その方が面白い

倒れた赤に目を細める

「…楽しくイこうじゃないか…なぁ?」

再び弾かれた音は

軽快に、鮮やかに

世界を創るー…
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