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梅雨

いい暇つぶしにはなった、なんて心にもない言の葉を吐いては周りを湿めはじめた5月

強がりさえ見抜く人もいないままにそれが悲しいとすらもぼやけないままに葉だけが青くなってゆく
繰り返していくうちにきっとおいて生けるから今はもう泣かないでと下手くそに笑う
それすらも嘘だということに気付かないふりをしてうまく慰めることが出来ない頃

しとしとしと
と、かわりに泣いてくれる人が現れた6月

打てないはずの、手。

君には見せたことすらなかった。
僕の中にいる君には見せることが出来るのに。
大袈裟になる前に消したかった君を抱けない僕の右手。
触れられるほど近くにいたのに僕を打つことが出来ない僕の左手。

本当は君を泣かせないことだって出来た僕の両手。
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