人工歯根を骨に埋め込むといっても、インプラントはそれによって金属アレルギーを起こすことはまずありません。
人工歯根はチタンが多く、他の部分もセラミックや金など人体への親和性が極めて高い素材を使って作られているためです。
インプラント治療に保険が適用されることはまずありません。
ほぼ全額自費とみるべきです。
ですから、経済的な負担を最低限にするためにも、金属アレルギーの患者さんは手術の前に、歯科医に相談するのが不安や誤解がないでしょう。
インプラント治療はどのような流れかというと、3つのハードルを越えなければなりません。
まずは人工歯根をあごの骨に埋め込みます。
あごの骨や周辺組織と人工歯根がなじむのを待ち、固まったことを確認してから、歯根と義歯の間をつなぐアタッチメントをつけ、義歯をかぶせれば使用可能です。
というのがだいたいの流れです。
人工物を骨に埋め込むのですから、組織が歯根の周りにできて骨に定着するまでには時間がかかり、もちろん、いろいろなケースがありますが、2ヶ月くらいは最低でもかかり、長い場合は6ヶ月ほどかかるのが普通です。
このため、インプラント治療を始めてから義歯を使えるようになるまで、おおよそ3ヶ月から10ヶ月かかると押さえてください。
インプラント治療にある程度の実績がある歯科医院で、外来診療を受けてのありふれたケースのインプラント治療も当然、院内感染のリスクはゼロではありません。
ですから、歯科医院を決めるときに感染症対策についても調べ、納得した上で決めることが、命に関わる大事な問題です。
近年、院内感染への関心が高まっていることもあり、予防策をホームページ内で述べている歯科医院も当たり前のようになっていますから、そこで調べるのも良いでしょう。
多くのメリットを知られるインプラント治療。
でも、デメリットも知った上で選択してください。
まず、他の歯科治療と比べても費用がかかることです。
治療の内容や、インプラントの材質によっては数十万円かかるケースもまれではありません。
あとは、治療が失敗したとき、健康被害が起きると、かなり深刻化する危険性も承知しておいてください。
まれな症例として、患者の死亡例も実際にあります。
歯科では、一連の治療の中に保険適用と適用外が混在することもよくあります。
しかし、インプラントの場合、ほぼ全て保険適用外です。
保険が適用されればありがたいのですが、インプラントを入れるという一連の治療はブリッジや入れ歯と比べればわかるとおり、時間も手間もかかるからです。
インプラントをあごの骨に埋め込むだけでなく、周囲の歯との力関係を調節するなど時間を要し、完全に治療が終わるまでの医療費はかなりのものです。
それではどこまで保険適用にするかも難しい問題で、健康保険の赤字がいっそう増え、結局は被保険者の負担が増えることになるので、保険適用にはならないのです。