「僕、君の事が心底嫌いだよ」
口角が口を開く度に、何度も切れては血が滲む。
鉄の味。鈍く刺す様な痛み。
「まぁ、なんだ。
残念ながら生きてるって事だよね」
悪態吐く君におどけて笑った。
さぁ、御茶にしようか?
「いやぁ、誘ってくれてありがとうね〜」
「いえいえ、私こそ付き合ってくれて嬉しいですよ」
くるくる回すスプーン。
「優しいねぇ。
あぁ、ずっとこうしてたいなぁ〜?」
くすくすと微笑まれた。
「どういう風の吹き回し?」
「要らないのならば捨てるだけだが?」
くるくる回すスプーン。
「あぁ、なんかこういうのも悪く無いね」
喉を短く鳴らして一笑。
「練習台でも光栄だよ、嬉しいな!」
「煩い、黙って飲んで」
くるくる回すスプーン。
「渋い……なんちゃって、嘘々。
美味しいよ」
鋭い眼光に睨まれた。
こっそり見せる微笑みは内緒。
適当な器に適当に注ぐ。
ろくに見もせず、片手間に握った角砂糖を放り込む。
くるくる回すスプーン。
啜る紅茶の波。
瞬間、顔をしかめた。
「うぇっ、あっまい……」
通りがかりの君は呆れ顔。
「あれだけ角砂糖を入れたら当然だと思うけど?」
大声上げて嘲笑。
さぁ、空のカップを置いて何処へ行こうか?
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