無造作に思ったんだ
「神様、助けて」
それが叶うならば、人は当たり前のように甘受した
それが叶わぬならば、人は当然のように罵倒した
「神様、赦して下さい」
白い衣を纏ったソレ等は祈った
全ては神聖で高潔な願いの為に
「そんな願いは、叶えさせない」
万人が思った感情を、一人の青年が立ち塞ぐ
「神様、神様……」
偶像に非ず、万能に非ず、完全に及ばない
祈りを切り伏せ、薙ぎ払い、突き立てた
「さぁ、君の選択は?」
ソレは掌を差し出して、問う
願いを、叶える代償は
何時も残酷の果てにある
万人の願いを穢して
億人の命を救った
その青年は、英雄か?悪逆非道の存在か?
最後に君は、泣いて笑った