そんな言葉を呟くとして、君は何を思うのか?






「ごめん、今ちょっと上手く笑えないや」

君が、何時も笑える訳が無いことぐらい当たり前なのにね?


「ごめん、泣きたい」

君が、何時も頑張っている事に慣れてしまってはいけないんだろう。


「……ごめんなさい……」

言葉よりそれは雄弁だから、君にだって心は在るって事だ。


「ごめんね、ちょっとだけだから」

迷うばかりで心細いのも、誰かがいる大切さの裏返しでしょう?


「ごめんなさい、ごめんなさいっ」

迷ったあげくの自責だって、間違いだって良いじゃない。








「ごめんねぇぇっ!!」

内側の衝動は時には慟哭の様に沸き上がって、止めどなかったり。


「……ごめん……」

あるいは、正反対に静寂に流れてしまうみたいで。


「るっせぇよ、黙っててくれ……今だけだからよ」

見上げた空が、異様に青く高く広く澄み渡ってしまったからだったりする。













君は











君は、泣かないの?











「何故?」












悲しくないの?



辛くはないの?



痛くはないの?



君は……














「解らない、な」

そう言って、相変わらずの笑みを浮かべる。










「大丈夫だよ」




見上げた空の向こう側。




「代わりにいっぱい、泣いてあげるから」





そう言って、相変わらずの笑顔を浮かべた。











そんな、やけに静かで騒がしい晴れの午後の話。