「お兄ちゃん、だいすきっ」
笑う宝物を受け止めて笑った
小さなこの子の為なら、怖くないよ
君を傷付けるモノから、守ってあげるよ
離れてたって大丈夫、俺は足が速いから
すぐ飛んでいってあげる
ちょっと頼りないかも知れないけど、
俺はこの子のヒーローだから、頑張れるよ
「兄さん」
そう呼ばれてさ
あの子はいつも俺の後をついて来た
大変な事は半分こ、嬉しい事は持ち寄って山盛りにして
なんでもない今日が幸せだった
だけど、どうして?
どうしてあの子はここに居ないの?
どうして俺の両手は染まってるの?
どうして どうして…………
「兄さん」
伸ばされた2本の腕
触れられないの、解ってる癖にね
だから、片手を降ったんだ
ばいばい、ごめんね
お兄ちゃん、だいすきだからさ
ごめんね、ありがとう……大好きだよ……