「俺と、ともだちになって下さい!!」
唐突に浮かんだのは、幼い頃の精一杯の告白だった。
思い起こせば、君が泣いている記憶が無い。
それは君が俺にすら見せないからだろう。
本当は、苦しかった時も悲しかった時もあった筈なのに……
歳に似合わない白っぽい髪も、夏になっても首に巻く布も、何時も持ち歩く刀も、君は笑わなかった。
喧嘩らしい喧嘩もして来なかったのを思い出した。
それは君が俺と対等で向き合った結果なのも知れないし、ただ耐えてくれていたのかも知れない。
俺は、英雄に、なったよ。
俺の声、聴こえるだろうか?
遠く離れた親友よ。
少しは俺も強くなれただろうか?
君に胸を張って笑えて居るだろうか?
あの日、弱かった俺は君に守られたから。
これからは、この先も、君を守りたいと思う。
君が、俺に守られるほど弱くは無い事位は重々承知だ。
「そんな事、気にするなよ」
馬鹿だなぁ、なんて、笑ってくれて構わないよ。
これは、俺自身の誓い。
ずっと君の、親友で在りたいから。
「勇音!」
「どうした?颯刃」
ありがとう。
大好きなともだち。