最近頭ん中に漂ってる映像と会話をメモってみる
…ってだけの徒然備忘録www
因みに脈略は無い←
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「始めてくれ」
私が軽やかにそう告げたのと同時に対面していた小さな影が走り出した。
「描記」
短く紡がれた言葉からスキルが呼応し、脚力が強化される。
そのまま手に構えた銃のトリガーを引くが、なかなか対象に当たらない。
「思ったより素早いんだなぁ」
感心している隙を突かれ、小柄な躯に体当たりをされる。
外見とは裏腹に繰り出された驚くべき衝撃力に自身の体が吹っ飛び、壁に叩き付けられた。
鈍い音が室内に鳴る。
「あ〜…、チョット大丈夫〜!?」
横合いから離れて傍観していた男が心配そうに声を掛けて来た。
「ふむ。左腕が折れた」
ダラリと揺れる腕に苦笑を浮かべる。
幾ら痛みを遮断させているとはいえ、コレは視覚的に宜しくは無さそうだ。
「生身なんだからさぁ〜、気を付けてよねぇ?俺が半殺しにされちゃうんだから」
彼は多少困まった様子で注意を促す。
恐らく、彼女に知れる事を危惧しているのだろう。
「なに、直ぐに治るさ」
動かないならどうしようもないのだし、実際数十分医療処置を受ければ済む事なので、余り気にせず試験を続行する。
「探知」
対象を絞り、神経を研ぎ澄ます。
駆ける、まだだ…迫る、もう少し…跳躍…今だ!
ーーダァン!!
被弾した対象は割れた水風船の様に飛び散った。
「お見事!」
彼は笑う。
「…やはり、まだまだ実用には向かないな」
苦笑を反し、私は医務室へと歩を進める事にした。
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辿り着いた場所は、不可視の壁の境目だった。
どう足掻いても、その先には進めない。
目と鼻の先にある筈の目的地…トーキョー。
必ず辿り着き、戻ると約束をしたのだが…
「Sorry...どうやら、限界…か…」
既に体は鉛の様に重く、意識がハッキリしない。
崩れ落ちた体の横に杖代わりとなってしまっていた鞘が倒れる。
戻るまでは、抜かないと決めた刃。
皆はどうしているだろうか?
…懐かしい顔が浮かんでは消えていく…
赤い夕日、赤は好きだった。
辿り着け無かった。場所も、真相も、想いも。
悔しくて悲しくて、胸が熱い。
ふと、お嬢ちゃんの声が聴こえた気がした。
小さな、小さな体で戦って、守って、笑って生きる、命。
そうさ、終わりじゃない。
終わるものか!
俺の意志は誰かに継がれ、若い命がこの壁をぶち破る日が、きっと来るのだ。
そうして未来は築かれる。
「…HAHA…、世の中…笑った者勝ちだぜ…なぁ?俺の言った通りだろう?」
何だか眠い、だが、不思議と安らぐ。
赤がオレンジ色に優しく変わる。
「……託すぜ……俺の…俺達の…未来…」
いつかきっと、苦しみも困難も、持ち前の明るさと強さで突き進み、この先へ歩み出してくれる。
根拠は無い…が、確信は有る。
……頑張れ、 …ー
やがて彼は、笑みを浮かべて安らかに眠りに着いた…。
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