スポンサーサイト



この広告は30日以上更新がないブログに表示されます。

夜にざわめく波動

「何で、お前さ…」


―――――ーーーーーーーーーーーーーー


暗い。
暗い、暗い…。

何かの音が、する。


風、爆破音、壊れる音。

「何?」

目を凝らせば、何かがぼやけて視えた。


長い、黒い、ソレが居た。


一瞬身構えかけたが、違うと悟る。


(あぁ、君は…)


悲しくなった。



怨み、怒り、悲しみ…
躯の中を沸き上がって渦巻いてくる。


復讐の名、憎んで憎んで打ちしひがれて、それでも…、


「生きて、居たんだね…?」


見ず知らずの命。


誰かに昔聞いた言ノ葉が、浮かぶ。


彼女は、正義の女神なのだ、と。




憎んで怨んで、姿だって変わっているのだろう。


躯が燃える様に、熱い。


「君、は…」


君は、[誰]だったのかな?

揺らぐ世界に答えは無い。




ねぇ、知ってる…?








―――――ーーーーーーーーーーーーーー


目が醒めた。

何だか息苦しく


て、肺が空になるまで息をしめだす。

「なぁ」

隣に居る仲間が尋ねるまで、気付か無かったんだ…。


「何でお前さ、泣いてるんだよ?」



濡れた頬に触れて、初めて自覚した。

何故?
何故こんなに熱くて、ごちゃごちゃしてて…悲しくて、


「俺、」



……嬉しいんだろう…?



「わかんない、や…」


苦笑を浮かべると相手は呆れて、早く寝ろと言って目を閉じた。


俺は、夢を覚えるのが苦手だ。


ただ、ぱたぱたと布団に染み込む雫は現実。



あの人は、幸福だったのかな…?


うろ覚えで、熱に浮された脳の残像。


名も知らぬ人を想う夜は、

空気を流れる雨音とごちゃまぜの感情に濡れて、過ぎて行った…。















―――――ーーーーーーーーーーーーーー



ねぇ、知ってるかい?


夢が世界と繋がる事を

そして


生命(いのち)の終わりにも、夢を視る事を…。

続きを読む
前の記事へ 次の記事へ
カレンダー
<< 2011年06月 >>
1 2 3 4
5 6 7 8 9 10 11
12 13 14 15 16 17 18
19 20 21 22 23 24 25
26 27 28 29 30
アーカイブ