初めてインプラントの説明を聞いた人は、差し歯とどう違うのか疑問に思うかもしれません。
読んで字の如く、歯の中に人工歯の土台を差し込むのが差し歯です。
自前の歯根に土台を埋め込み、歯冠部を被せるものです。
歯根を含めて歯が無くなってしまったところには、そもそも埋め込む先がないわけですから、使えないのです。
それに対して、インプラントというのは、金属製の歯根を顎の骨に埋め込んで癒着させ、その上に人工の歯を取り付けて固定するという施術なのです。
原則として保険は使えないので費用はかかりますが、自前の歯がない場合でも施術が可能なのがインプラントの特長ということになります。
無くなった歯をインプラントで補ってからというもの、以前と比べて息のニオイが気になるという話も歯科医院ではよくきかれます。
そうなる理由として、インプラントと隣の歯の間などに食べかすが残って臭いを放ってしまう場合や、インプラント粘膜周囲炎や、それがさらに悪化したインプラント周囲炎になっている場合もあり、単なる口臭と侮れません。
こうした症状に気付いたら、早期に診察してもらうことが大切です。
人工歯根をあごの骨に埋め込む手術をして、骨になじませるのがインプラント治療です。
埋入手術後はどの患者さんも違和感を感じるといわれています。
腫れがおさまると違和感は薄れるため腫れたところや、縫った糸が気になっても、触らないようにここはぐっと我慢してください。
ただし、術後十日以上経ってもしっくりこないと感じる場合や、痛みが続いていたり、腫れや出血が止まらなかったりする場合、原因を探り、対応していかなくてはなりません。
我慢しなくて良いので、歯科医の診療を受けましょう。
インプラント埋入手術では局所麻酔を使います。
入院して手術することはまれです。
糖尿病や心疾患などの既往症があるケースでは歯科とはいえ、入院の必要も出てきます。
加えて、インプラントを支えるのに十分な骨の量がないとすれば、まず骨を形成する手術が必要です。
自分の腸骨などを削って、移植する手術だと、入院して手術するケースも実際にあります。
これらのケース、その他の困難なケースであれば長期間にわたる治療を覚悟しなければなりません。
皆さんが気にしているインプラントの耐久性は、長く使っている症例は多くないのが現状ですが、歯科医の指導に従い、メンテナンスを欠かさなければ自分の歯と同じくらい保つというのが多くの意見です。
要するに、メンテナンスがしっかり行われていればかなり長い間保たせることができますが、ケアが十分でなければインプラントの維持が難しくなってしまうと思ってください。