旗振り役の中川俊男会長は年収4500万円に“寿司デート”も発覚 診療報酬を原資に巨額献金【コロナ禍でも黒字 日本医師会の賃上げ闘争】

2021/12/7(火) 9:06
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日刊ゲンダイDIGITAL

【コロナ禍でも黒字 日本医師会の賃上げ闘争】#1

 厚労省によると、コロナ禍の昨年度の医療法人の病院長や診療所の院長の平均年収は、それぞれ約3110万円、2730万円。医師全体の平均年収も約1400万円とサラリーマンの平均年収433万円の約3倍に上る。この高給取りの医師たちの賃上げ闘争が今、永田町、霞が関を舞台に水面下で繰り広げられている。

 賃上げ闘争の先頭に立つのは、まん延防止等重点措置の期間中に自民党議員の政治資金パーティーに出席、女性と寿司デートを報じられて、世論の大ヒンシュクを買った日本医師会の中川俊男会長だ。

 中川氏は先月24日の記者会見で、新型コロナウイルス感染症への対応で医療現場が著しく疲弊しているとして、医師の賃上げの原資である来年度の診療報酬を「躊躇なくプラス改定すべき」と訴えた。

 国民が支払う診療報酬の大半は医師の人件費に使われる。そのため、診療報酬のプラス改定は取りも直さず医師の賃上げを意味する。

「診療報酬を決めるのは厚労大臣だが、日医などの圧力団体、厚労族議員と政府の力関係で決まる仕組み。診療報酬は2年に一度改定され、小泉純一郎政権時代に例外的に2度引き下げられた以外、一貫してプラス改定され、医師の賃金は右肩上がりに上昇。前回2020年度も0.55%のプラス改定でした」(厚労省関係者)

■巨額献金の原資は国民が払った診療報酬

 中川氏は、コロナ禍による医療現場の疲弊を強調したが、政府の補助金投入により昨年度は一般病院、診療所とも黒字になっている。政府の補助金の原資は国民の税金だ。この上、国民が高賃金の医師の賃上げに協力する道理はない。

 日医の規定によると、中川会長には日医から年間約4500万円もの報酬が支払われている。中川氏が理事長を務める「新さっぽろ脳神経外科病院」からの報酬もあるはずだ。そんな人物が旗を振る医師の賃上げ闘争が、国民の理解を得られるはずがない。

 日医の政治団体「日本医師連盟」は昨年、自民党の政治団体「国民政治協会」に2億円、個々の自民党議員や派閥にも満遍なく、巨額の献金をしている。日医の資金力は他の圧力団体をはるかに凌駕しており、これが右肩上がりの医師の賃上げを支えてきた。だが、日医の資金の原資も、本はといえば国民が払った診療報酬だということを忘れてはならない。