浄化槽工事で残っているのは2階トイレの配管


仕事中に電話が入った


「木を切ってもいいですか?」


「邪魔になるのなら切っていいです、、、ぁ、それって北側に一本だけあるかやの木ですか、その木は切らないでください」


かやの木は両親が植えたもの


「他の場所に植え替えるのなら構いませんが」


都会で暮らしていた私に一日でも早く戻って来て欲しい願いのもと、やっとで手に入れた木


まるごと切りたいらしい


かやの木には遠くにいる子供が戻って来る言い伝えがあるそうだ


「その木だけは切らないでください」


根から掘り起こされるところだった


「大事な木なんですね。分かりました」業者はそう言って電話を切った