巨大なプリンを追いかけながら自分の荒れた呼吸を聞いている。
この近辺の施設は地下に潜ったのか、整然とした広大な緑地が広がっている。等間隔に並んだ街灯が点りはじめ、ぽつぽつといるロボットを照らしている。
矢追は何か懐かしいような気持ちがしたが、その正体はわからなかった。
「なんか、ロボット、増えてる、よね?」
備府は喉をぜいぜいと鳴らして答えない。
前方にロボットによく似た建物が見えている。
近付くに連れて奇妙な景色が明らかになった。巨大なプリンが列を成して施設に向かっている。
追っていたロボットから少しでも目を離せば見失いそうなほどロボットがひしめいていた。ただ一つ異常なスピード以外に見分ける手立てはない。一分の狂いもなく並ぶ仲間の横を擦り抜け、本を腹に呑んだそれは突き進んでいく。
「も、無理……」
一言漏らして備府はへたりこんだ。肩を忙しなく揺らして空気を吸い込む。
「先行って、くれ」
矢追は逡巡し、その後うなずいた。
「じゃあ、電話かけながらゆっくり来て」
「おう、」
矢追は向き直り、駆け出そうとして視界の端に違和感を抱きたたらを踏んだ。もう一度振り返る。
一分の狂いもなかったはずの列は乱れていた。通り過ぎてきた後ろのロボット達がフラフラと列を離れ、道いっぱいを埋め尽くしながらこちらに向かってくる。こちらにというより施設に、というのが正しいかもしれない。
備府は矢追の視線を追って振り返った。
「うわ何あれキモい」
一息に言うと咳き込んだ。矢追も同感だった。
じわじわと迫って来る様は機械より虫に似ている。
ぱあん、と紙袋を叩きつぶしたような高い音が響き、矢追は赤いものが降り注ぐのを見た。
しばらく何が起きたのか理解出来なかった。
視界が真っ赤に染め上げられ、備府を見失う。
再び破裂音。
赤いものはカサカサと降り積もった。
備府の驚いた顔をスローモーションで撫でていく、紅葉。
目指していた施設の上部から枯れ葉が吹き出している。金や茶はまばらで、どこに生えているのか燃えるような紅葉ばかりが吹き上がっている。出来の悪い火山の張りぼてのようだった。
何かの連鎖のように断続的に噴火は起こった。ぱあん。ぱあん。
後ろでも。後ろ?
遠くでロボットが破裂している。真っ赤な何かをまき散らしている。その隣りのロボットも破裂する。そのまた隣りのロボットも。
あっという間に辺りは破壊に満ちる。
鳳仙花の種の連鎖を矢追は思い出す。
もしかしたら自分たちも爆発するのではないか。
現実感がない。備府と二人惚けている。
とっくに目標は見失っていた。
お湯を美味しく感じるなんて私も大人になったのかしら!
ホットミルクの膜も気にならなくなったし
備府は熱っつい緑茶好きそうな気がするな
明日小説あげます
皆様にキャラメルが歯につかない呪いをかけます
>>VIPは飽きるのも早いからgdgdになる気もするよwww
ところで堂仁君はいつまでエロいままなんですか!
今見て来たらまだスレあったよー
グループにわかれていろいろやってるみたいだね
堂仁がエロいのはもとからなのでずっとエロいです!頭の中は矢追に負けないくらいやばいです!
それはともかく連載の中でそろそろ秋を終わらせなきゃならない……
>>神の一泉wwwww
きみがーいーまー
ぼくをーささえてー
ぼくがーいーまー
きみをーふふーふふーん
気付いてくれてありがとう!
>>『第二都市』《セカンド・シティ》は『城殻』《シェルター》に守られた「隔離都市」なわけだな…ククク…楽しくなってきた、俺の右手の邪気眼《シャドーアイズ》もそう言ってるぜ…シェルター→shellter→shelling、つまり砲撃から隔離されて守られている…『謎』がようやく見えてきたな…
おい!『奴等』に嗅ぎ付けられたくなかったら『NaterBelay』《ネタバレ》はやめておくんだな……沈黙は金と言うだろう?
俺のこの目は案外デリケートなんだ……
(訳:予想が当たったら泣くよ)
>>陸亀かわいいよ陸亀
某動物園で撮りました
撮影者に優しい被写体ランキングの上位に食い込むと思いました
>>鍵すっげー!!!
機能美と言っていいのかはわからないけど、鍵には金属片とは思えない魅力がある
>>堂仁の童子Nをいつか活用して欲しいです。結構じわじわきます。
>>5555おめでとう!!そしてもしキリ番リクエストとか受け付けてたら堂仁のSSお願いしちゃっていいですかwww連載や実生活の方で手一杯ならスルーしてやって下さい。いつも更新楽しみにしてます!
すごく嬉しいです!
今書いてますから!近いうちに上げるからちょっと待ってて!ほんとに嬉しい!!ありがとう!!!
>>ほどろ嬢はどこへ行ったんだwwwww
実家……?
亀の楽園的な所かな?
あらゆる種類の亀が住めるならば環境分布がすごいことになってそうだ
海亀沼亀陸亀砂漠亀
>>風邪ひかないようにね。
ありがとう!気をつけます
>>じょーちゃん可愛いです。
メダカ?にしてはでかいね。金魚?
それにしてもうらやましい…。
ちょっと口開けてこっち見るんだよ!何?って顔でこっち見るんだ!いいでしょ〜
釣ってきたちっさいフナとクチボソです
ジョーに慣れたらしく静かに泳いでます
コメントなしのかたも、いつも見に来てくださるかたも、本当にありがとうございます!
皆様お久し振りです
実は……
えさと同居しています
おなかがすくまで仲良くします
うふふ
寒くて活性が下がっているらしく人工飼料しか食べません
かれこれ一週間経ちました
かたり、と音がした。それはあの本が落ちた音によく似ているように思われた。
だがすぐにかたかた、とむずかるようにその音は続き、瞬きを数回する程度の時間が立つともたれていたロボットが振動しているのが明らかになった。
「電源切ったのに」
「……でかいもの吸い込んで壊れたんじゃねえの」
最悪の予想が二人の頭を過ぎる。
ロボットの振動は徐々に激しさを増し、沸騰した圧力鍋にそっくりな不安をもたらした。
「さっきから電話してるんだろ?」
「うん。全然繋がらないけどね」
「……爆発したりしないよな?」
二人はそっとロボットから離れた。
始め気付かなかったのは形状のせいだろう。
はっきりと認識出来たのは落ちた銀杏の葉がとんでもない勢いで弾き飛ばされたからだった。
回転している。
ロボットが回転している。
これはただごとではないかもしれない。
備府に話かけようとした次の瞬間、ロボットが消えた。いや、視界の外に飛び出したのだった。
滑るようにそれは道の真ん中を走っていく。
「やばくねこれ」
「とりあえず追いかけよう」