このお話は、ドラゴンキラー完結したあとの続きです。
シノノメと母カムイの会話の辻褄を合わせる話を書くのが難しい。
シノノメの寝室の扉の前にランプをもったカムイが立っていた。そっーと扉に隙間を開けてシノノメを見た。
「がー。ぐーがー。カンナそっちは、危ない。」
寝言を言う長男シノノメにクスっと笑みを溢した。
点呼をとりおえったカムイは、自分のマイルームに向かった。
「おかえり、カムイ。遅かったな。」
「リョウマさん。起きていたのですか?先に眠ってもよかったのに。」
「カムイがベットに入るまでは、寝れない。」
「心配性ですね。」
カムイは、そう言ってベットに入る。
「リョウマさん。シノノメを竜の門へ連れて行かせてもいいですか?あの子もカンナもカナも逞しくなってきました。」
「ダメだ。」
「リョウマさん。」
「シノノメを連れて行くなら俺も連れていけ。シノノメが暴走しないように矯正する。」
「シノノメは、暴走なんかしませんよ。」
「どうしてそう言える?」
「シノノメがめんどくさがることをするようになったのです。異界の人に混乱させないように配慮もしてくれて。それから私とリョウマさんが手が離さず敵の相手をしている時とかも敵に向かわずに異界の人達を指揮していました。」
「前のシノノメとは、一皮剥けたと言うことか。」
「はい。ですからシノノメにステップアップをさせるなら「竜の門」へ連れて行くべきです。」
「そう言うことならいいだろう。ただし三つ俺との約束をシノノメにこじつけろ。」
「三つも?それはなんですか?」
「ひとつめは遺跡に行ったあとは、よく寝ること。ふたつめは、俺にカンナとカナと過ごす時間をつくらせること。みつめは、カムイがいないときに代わりに指揮官をすることだ。」
「リョウマさん。カンナとカナがシノノメと過ごす時間が長かったことに怒っているのでしょ。」
「怒ってなどいない。」
「うふふ。少し前までカンナとカナと過ごす時間が短くなったことに拗ねていたのは、誰ですか?」
「カンナとカナを寝ずの番をさせるシノノメが悪い。まだ子供の二人にどれだけ疲れさせたと思っている。」
「わかりました。シノノメには、一回遺跡の財産に行ったらちゃんと休ませるように私の方から言いますから。」
寝るときも起きるときでも勝負の勝ちに拘るシノノメのことだからちゃんと休ませるようにしたい。
「リョウマさん。シノノメを指揮官にしたいのは、何故なのですか?」
「あいつは、親の見ていないところで「竜の門」にある闘技所にカンナとカナを連れて行ったろ。」
「はい。そうですね。」
「武器の保管庫に見たことのない武器と祓串が山のように置いてあった。シノノメが腕っぷしで手に入れたか。カンナとカナを鼓舞して武器を手に入れたこともあり得るだろう。」
「リョウマさん。シノノメがどれだけ成長しているのか知りたいのですね。」
「あぁ。最近じゃシノノメは、敵の強さをぱっと見しただけで把握しているだろう。それを伸ばさない手は、ないだろう。シノノメに指揮官をやれるか聞いてくれ。」
我が子の成長を一番に楽しみにしている父親組みは、リョウマ。そのことは、公に出さずに妻のカムイにだけ見せている。カムイは、ただ微笑ましく思い微笑んだ。
区切り。