さぁ星竜が連れて来た白と黒の兄弟姉妹は?鬣と思わせる茶色の髪を敷いて寝息をたてていました。
「う‥ん。」
周りを見ると見覚えのない場所でした。
ぼんやりとここは、どこだろうと思いました。
「リョウマ様ようこそ不思議の国へ」
声の方をみると青い髪に赤いメッシュを入れた少女が自分の前に立ていました。
「不思議の国?それよりも俺はどうしてここに。うぐっ。」
「あらあら大丈夫ですか。」
頭が痛かった。どうしてリョウマは、知らない所にいる?と考えたら頭痛がした。頭が痛い。
「お前の名前なんだ。」
「私は、リリスです。不思議の国へ来る前のことを思い出そうならやめたほうが頭痛がなくなりますよ。」
リリスという少女の言う通りやめてみたら頭痛がなくなった。
「ここがどこだかわかるか。」
「ここは、不思議の国。貴方自身が望んだ星界です。」
「星界?不思議の国?お前が俺を連れてきたのか。」
「えぇ。私は、案内人として貴方の望んだ世界に連れてきたのです。」
またリョウマは、頭を押さえた。頭が痛い。痛い。
「不思議の国へ連れて行かれる前のことを思い出しても無駄といいませんでしたか。」
「俺は帰らないと‥‥‥白夜王国の王座を‥から死守しなければ‥‥‥」
「自身に起きたことを思い出してしまうとは。」
「どうやれば俺は帰れる。教えろ。」
「どうして帰ろうとするのです。不思議の国は、貴方の望んだ星界なのですよ。自分の思い通りに出来る世界なのですよ。」
「ごたくはいい!俺は、元いたところに帰るだけだ!さっさと教えろ。」
「ひどいお人ですね。」
リリスがため息を吐くとそれきり黙った。それがリョウマを苛つかせた。その苛立だちをどうにか出来ないものかと考えていると
「なぁ。先は自分の思い通りになる世界だと言うのは本当か。」
「はい。そうです。あなたが元の世界で白夜王国第一王子という束縛もない。感情に身を任せて人を殺してもあなたを咎めることも軽蔑されることもない。」
都合が良すぎだ。リリスを斬ろうと雷神刀を抜こうとしたら雷神刀を持っていないことに気づいた。