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その筈の紫蘭に暴力もない(鉢雷♀)


(転生学パロ




雷蔵が女だったら…なんて願ったことあったかな?
なにをするにも特別に困ったことはなかった。
私は雷蔵という存在がそこに居るだけで良かったのだから。
床にしたって男にも穴がある訳でそれを使えば私達は一つになれた。
唯一…血を残せなかった、それだけは残念に思うことはあった。
私と雷蔵の子供ならさぞかし愛くるしい子が産まれただろう。

それぐらいだ。




「鉢屋くん、日誌置いてくるね」

「あぁ」




今生で出逢った不破雷蔵は女性に生まれ変わっていた。過去の私達の記憶もごっそり無くなり、男という性も棄てて、真っさらで生まれてきた。
それでも私達は出逢った。
どう考えたってこれは神様が、お前達は赤い糸で結ばれているべき存在なんだよ。って出逢わせてくれたんだね…と、思うことにしている。




「ごめんね、先生が見当たらなくて探してたら遅くなっちゃった」

「別に大丈夫だよ、不破さん」

「じゃあ、私帰るね」

「あ、ちょっと話あるんだけどいい?」

「なあに」

「…君のことが好きす。付き合って欲しい」




真ん丸の瞳は昔から変わらない。その双眸に映る私をどう思う?昔の私をほんの少しでもいい…一片でいい…君の中で私という存在をなかったことにしないでくれ。







(互いに忘れないように、薄れゆく恋)















end
Thanks;エッベルツ
その筈の紫蘭に暴力もない
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そーいや転生ものにはあんま手を出したことなかった。

もういらないのかもしれない(鉢雷♀)




(現パロ







自分はバカな女なのだ。

幼稚な言葉でしか言い表すことも出来なければ、他も然り。




「わたしは三郎が初めてだったの」

「うん」

「三郎としかしたことないの」

「うん」




下らない戒めのような言葉でしか縛りつけられない。女がここまで言ったのだから当然のように捧げたものを捧げ返せと。




「ね、雷蔵…もう一回してもいい?」

「ん、」

「おれはね、雷蔵を好きになってからはキスもセックスも誰ともしてないよ」




この時ばかりはよそ見をしない男はなんとも愛おしい…。そして、なんとも憎らしい。




「わたしは、三郎以外とは、」




それ以上は言葉にならなかった。虚しすぎて涙すら流れやしない。








end
Thanks;カカリア
もういらないのかもしれない
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三郎なりの愛情表現なんだけど雷蔵には伝わらない。

疼く心臓を掻き毟った、恋(雷蔵と三郎)




(学ぱろ



不思議と分かち合えた気がした。同じ時間を、空間を共有できたんだと…そう感じた。
これは僕の役得…密かな想い、大事に隠していくの。




「はい、返却」

「はい、どうも」




二つ年上の彼は結構頻繁に図書室に訪れる。この学校の図書室はかなりの量の本の在庫があり、種類も豊富だ。活字中毒な僕は真っ先に委員に候補し今に至る。最初は本に囲まれてるだけで幸せだったけれど今は別にある。

この場所でしか会う事はない、名前と学年とクラス…それだけしか知らない鉢屋三郎先輩。

放課後…暇潰しなのか小一時間ほど図書室をぶらついていて興味がある本があれば借りて帰る…種類は様々で僕が惹かれたのはそんな所なのかもしれない。
彼が返却した本を僕が借りて帰る。ほら、共有できた気がするでしょ…他人からみたら馬鹿馬鹿しいと言われると思う、けどいいんだ…それだけでいいの。

男が男にだなんて、気持ち悪がられる…先輩が居なくなるまで後半年…僕だけの、自己満足な幸せな時間をもう少しだけ味あわせていて下さい。










end
Thanks;ジキルの慟哭
疼く心臓を掻き毟った、恋
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三郎が目的もなく図書室なんか訪れるはずがない。雷蔵の意図は知らずとも結局は両想いな二人〜

別つた袂は空々しく軽いのであつた(八左ヱ門×兵助)



(現パロ





 段々とハッキリとアラーム音が脳に響き、まだ瞼を開けたくないと思いつつも腫れぼったく薄い肉は動きぼやける瞳に膜が張る。
体は正直に音の鳴る方へ、確実に腕が伸びる。




「……頭イテェ」




 寝起きは悪くない方だと八左ヱ門は思っていたがこうやって鈍痛が起きる時は決まって夢を見ていたんだと八左ヱ門は納得する。
 頭が痛いのは勿論、どうにも胸を締め付けられ苦しいのだ。どんな夢を見たかも朧気な筈なのにとてつもなく切なく、淋しさが込み上げる。




「あ、やべ!遅刻するっ」




今日は矢張りいつもと違っていた。遅刻してはいけないと慌て準備をし家を飛び出してきたと云うのに足は学校には向かわず、フラフラと街の中を彷徨う。
特に目的がある訳でもないのに、進む先に何があるのか。気が付けば人混みに紛れ込んでいた。スクランブル交差点で見えるのは朝という時間帯の為に人だらけだ。学校をサボタージュしてまで此処に居る理由なんて無いに等しい。

(何やってんだオレは…でも偏頭痛が消えた)

人は他人に無関心だ、隣を歩く人が何をやっているのとかを詮索はしない。

一点を見つめていた訳ではない、無造作に並ぶ人を眺めていただけだ。だから、今、すれ違った人を、何故引き止めたのか…。
人混みの中、此処だけの時間がゆっくりと流れているようだ。流れる人達にとっては邪魔なだけの存在の二人だが、そんな二人には構っていられないと各々の進むべき道へ行く。




「…あ、の…」

「あ、」




すみません、と謝り掴んでいた腕を八左ヱ門は放した。
何故と理由を尋ねられても応えられる筈もなく足早に八左ヱ門はその場を後にした。
何もない掌には先程掴んだ肉の感触がいつまで経っても消えないでいた。










end
Thanks;joy
別つた袂は空々しく軽いのであつた
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属に言う転生もの…面白いことに受け子は何故か女になっている非常に都合の良い話(笑)

名残惜しい爪痕を、なぞった(骸ツナ)



此れは誰とも違う感覚、超直感とも違う。不思議とどこかで自分たちは繋がっているんだ、と確信する。

やっぱり、って何度目だろうな…そう心の中で呟いた。だって此れは運命とも言える。過去の自分たちは何度も接触してきた、だから確信を持つことが出来た。でも今は?子供な自分と大人な彼…。大人の自分とは?どこかで繋がっていたの?それを知る術は、ない。

だから、やっぱり…と思えた感覚は間違いではなかったし、少なからず、ほんの少し…髪の毛の先と先が繋がっているぐらいの頼りない、そんなものでも嬉しいのだ。

こんな事態じやなかったら触って、抱き締めてあげて、己の熱を与えてあげたい…。独りぼっちの、あの場所はさぞかし寒かっただろう。


(骸…生きている証をオレにちょうだい…)










end
Thanks;つぶやくリッタのくちびるを、
名残惜しい爪痕を、なぞった
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白蘭みてたら骸ツナ書きたくなった謎…
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