これはあたしが体験した話。
うちは築数十年の古い家。
このご時世に、なんと未だにボットン便所にシャワーなしお風呂。笑
そんなんだから、人が普通に歩いてるだけで足音がミシミシ響く。
で、うちの家の構造なんだけどちょっと変わってる。
1階
押し入れ 階段
お風呂 居 玄
台所 間 関
2階
押し入れ 階段 押し入れ
部 部 部
屋 屋 屋
みたいな。わかりにくくてすみません。
つまり廊下がなくて、全てスライド式の襖で繋がってるんです。
寝室というか、自分の部屋は2階で。あたしと妹は左の部屋に一緒に居て、右が両親、真ん中は通路で物置みたいに使われてた。
高校生になるとテスト勉強や受験勉強で、夜型のあたしは夜遅くなるからって下の部屋で勉強してた。ちょうど、2階の真ん中の部屋の真下に当たる。
そしたら、夜、誰かが起きて歩くんだよね。右の部屋の扉の前から左の部屋の前までを歩く。
そこでいつも足音は消える。
たぶん 親が部屋覗きにきたとか、トイレに起きたとか、その程度にしか考えてなかった。
大学に入って、家から離れて住むようになって妹と電話してたら たまたまそんな話になった。
「最近ラップ音が酷いんだ」
って。
うちは4軒の家が繋がった長屋みたいな家なんだけど、左隣は首吊り自殺したご主人のいる一家が昔住んでて、気がついたときには引越しの気配もなく空き家になってた。
右隣はしばらくだれもいなかったんだけど、私たちの歳から見ておばあちゃんくらいの元気な人と、独身のおじさんの訳ありっぽい人が引越してきた。
すごく元気で、私たちのことを可愛がってくれるいいおばちゃんだったんだけど、数ヶ月のうちにみるみる体調崩して、亡くなってしまった。
それから、ラップ音がひどいらしい。
うちの南側(押し入れ側に右隣のおばちゃんが住んでた)にはお墓と銅山がある。
どうも そっちから まがまがしい気配のする真っ黒な霧ともモヤともつかないものが おばちゃんが亡くなってから押し寄せてくるんだそうで。
で、パキパキあちこちで音がしたり、触ってもいない鈴が鳴ったり。
話しているうちに気付いたことがある。
妹が言うには、右と左の部屋には霊はいないらしい。入ってもこないと。
「夜、足音しなかった?右から左にかけて歩く音」
妹も聞いていたらしい。
「でもその夜、誰も起きてないんだよ」
と。確かにトイレに誰も下りて来なかった。
「いつもね、うちらの部屋の前で止まるの」
ゾッとするよね。
「後ねー、いつも押し入れの戸が少しだけ開いてるんだよね。開けてもないのに。閉めても閉めても。」
それはいつも あたしが寝ていた方。
確かによく、人がちょっと隙間から覗いたんじゃないかっていうような2、3センチの隙間があいてた。
最初気付いたときは気持ち悪かったけど、大きくなるにつれてオカルトは信じなくなったし、慣れてきた。
ついでに寝相悪くてよく蹴ってたからそのせいだと…。
今、妹は押し入れから離れた所で寝てるのに開いてるってことは…。
あと、休日にドンドンドンって階段を上がる音がした。
部屋でごろごろしてたあたしは、その重めの足取りに普通にお父さんだと思って、
「あ、お父さん、」
って襖をあけた。
ら、誰もいないっていうベタな話。
確かに階段上がって、部屋の前まで来たのに。
それから、家ではよく金縛りにあってたけど、家出てから無くなった。
ずっと疲れてたからだと思ってたんだけどね。
まぁ、そんな感じでうちでは怪奇現象が多い。
妹いわく、5人の霊がいるとか。
2階の真ん中の部屋をあるく男の人。
階段を上り下りする中学生の女の子(足だけ)
玄関で体育座りして私たちを見つめてる男の子。
時々妹を揺り起こすおばあさん。
お風呂にいる女の人。
なんでもお風呂にいる女の人がヤバいらしい。恐すぎて夜はそっち見れないし(というか、見たらヤバいんだって)、お風呂にもおちおち入ってられないし、居間にいるだけで怖い。
怖いから必ずお風呂の戸を閉めるんだけど、誰も触ってないのに開いてることが多いとか。
帰省してみたら、めっちゃ家怖かったよ。
なんか薄暗いし、明らかに鼠とかイタチではないものが天井走り回って変な音してるし。
あたし、よくこんなとこで生活してたなぁって。笑
あと、あたしがいなくなって妹一人で使ってる部屋はめちゃくちゃ怖かった。
長くなったんで、それは次に書きます。
読みにくいうえに長くてすみません。