新たな歯科医療の形として注目されているインプラント。
その耐用年数は、原則的には一生持つとされていますが、現実には、治療終了後の定期的なメインテナンスや、手術を担当する歯科医師の技術にも左右されると言われています。
ろくに歯磨きもしないでいると、ものの数年で劣化してしまう場合もあるでしょう。
また、歯槽膿漏などの口腔内の病気にかかってしまうと、歯根を埋め込んでいるアゴの骨自体が弱ってしまいますから、人工歯が役に立たないどころか、インプラントの寿命にも影響が出ます。
インプラント治療の問題点をいろいろな情報媒体から調べているでしょうが、その中に、金属を埋め込むので頭部のMRI検査ができないといった口コミがあったかもしれません。
しかし、それは正しくありません。
MRI検査では、磁場に反応して画像が作られます。
当然、金属は磁気に反応して必要な画像ができません。
インプラントには主にチタンが使われており、チタンの特性として、磁気には反応しないため検査で問題になることはまずありません。
歯科治療の中で、インプラントとクラウンの大きな違いは、自分の歯根を使えるかどうかの問題です。
虫歯などで、歯の損傷が激しくても、歯根部を支えとして残すことができれば冠のような形の義歯をつくり、クラウンをかぶせることが可能です。
しかし、根から抜いた場合はまず考えられるのは入れ歯ですが、その他に義歯の土台として人工歯根をあごの骨に埋入するインプラント治療を検討することになります。
インプラント治療を考えている方に知っておいてほしいことですが、仮歯を入れてから、義歯だといわれることはめったにありません。
歯茎から生えているので、見た目も自分の歯に近く義歯に見えない自然さでインプラントだとカミングアウトしなければ義歯だと気づかれることもほとんどありません。
前歯など、自然に見せたい歯の場合は優先したい治療方法ですね。
インプラント治療を始める前にチェックすることとして、あごの骨に病気や障害がないかどうか確認してください。
特に要注意なのは歯周病や顎関節症で、まずその治療を優先し、完治してからインプラント埋入に取りかかるのは必須です。
美容整形や外傷などで、あごの骨を削った経験がある方もインプラント治療のリスクが増大します。
もちろん、こうした既往症があるだけで絶対治療できないとは言えません。
歯科医とのコミュニケーションが何より大事です。