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古都にうごめく暴力団・会津小鉄会 組織統合の裏に山口組の影 - 産経ニュース
2022/10/01 19:49
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古都にうごめく暴力団・会津小鉄会 組織統合の裏に山口組の影 - 産経ニュース

https://www.sankei.com/article/20221001-4CEW5ZQUKZJVBKTZEJWSRUAZZE/



2022/10/1
山口組派による継承式が行われた会津小鉄会系組事務所周辺を警戒する京都府警の機動隊員ら=平成29年2月、京都市伏見区


京都を拠点とする指定暴力団「七代目会津小鉄会」。後継者争いをめぐって特定抗争指定暴力団の山口組と神戸山口組を支持する2つの勢力に分裂したが、昨年4月に一本化が確認され、今夏には指定暴力団に再指定された。過去30年で会津小鉄会の勢力は9割以上減少したものの、対立関係にあった両者が4年ぶりに合流したことで京都の暴力団事情が新たな展開を見せるのか。警察当局は警戒を強めている。

「反発はしているかもしれないが1つの方向を向いている」。捜査関係者はかつて対立関係にありながら、同じ組織の構成員として再会した組員らについて説明する。

長らく京の街を拠点としてきた会津小鉄会の原点は、幕末。会津藩に出入りしていた侠客(きょうかく)、上坂仙吉が京都で博徒(ばくと)を集めてできたのがきっかけだ。当時は数千人の子分を抱え、鳥羽伏見の戦いで戦死した会津藩士の遺体を埋葬したり、さらし首となった新選組局長、近藤勇の首を会津に持ち帰ったりし、幕末の歴史にも登場する。

捜査関係者らによると、平成4年に初めて指定暴力団となり、当時は約1600人の構成員がいたが、現在は約40人まで減少。さらに高齢化も進んでいるという。それでもかつて京都の治安を脅かし、山口組分裂の「代理戦争」の当事者≠ノなった組織だけに、当局もその動向を注視する。



事務所で乱闘勃発

山口組の分裂に伴う代理戦争が表面化したのは平成29年1月10日。寒空の下、当時京都市下京区にあった会津小鉄会の事務所では殴り合いの乱闘が勃発していた。

現場には会津小鉄会と山口組の組員。その日は山口組が事務所を占領したが、翌朝、会津小鉄会の六代目馬場美次会長を支持する組員が神戸山口組の組員を連れて事務所の奪還へ。ついには京都府警が介入する三つどもえの争いに発展した。

ことの始まりは馬場会長の引退をめぐる後継者争いだった。山口組の後見を受けていた馬場会長だったが、懇意にしていた井上邦雄組長率いる神戸山口組に急接近。馬場会長の引退表明直後、山口組は会津小鉄会若頭で傘下組織「心誠会」の原田昇組長を七代目に就任させようと事務所まで押しかけ、占領に至った。直後には既成事実化するため、一方的に原田組長の会長就任を知らせる文書が全国の関係組織に送付された。

山口組派による継承式が行われた会津小鉄会系組事務所周辺を警戒する京都府警の機動隊員ら=平成29年2月、京都市伏見区





これには馬場会長側も黙ってはいない。馬場会長は傘下組織「いろは会」の金子利典組長を七代目に就任させ、それぞれ山口組と神戸山口組を支持母体とする2つの「七代目会津小鉄会」が存在する奇妙な状況が誕生した。分裂直前の構成員は約100人いたという。

分裂後の令和元年7月、京都府公安委員会が金子組長を七代目会津小鉄会の代表者にしたことで原田組長の組織は指定暴力団ではなくなったものの、互いに一歩も譲らず七代目を主張し合っていた。



山口組にほんろうの歴史

両者が一本化に向けて動き出したのは、捜査関係者によると昨年2月。山口組が引き合わせたという。「京都での影響力を強めるため、交戦状態にあった神戸山口組への圧力だろう」と捜査関係者。一本化した七代目会津小鉄会は金子会長と、原田若頭のもと再スタートを切った。

山口組の存在により分裂し山口組の影響で一本化したともいえる会津小鉄会だが、両者の関係は近年始まったものではない。会津小鉄会が指定暴力団となった平成4年ごろの両者は一触即発の緊張状態にあった。きっかけはJR京都駅周辺の開発をめぐる利権争い。京都を舞台に小競り合いが始まると、7年には計約30件の発砲事件が発生し古都は一気に緊迫した。

翌8年には五代目山口組の中野太郎若頭補佐(当時)が、京都府八幡市の理髪店で会津小鉄会の組員に発砲される事件が発生するも、同日中に、山口組の宅見勝若頭(同)が手打ちとした。これに激怒した中野会が、9年に神戸市で宅見若頭を襲撃するに至った。会津小鉄会が山口組の内紛の火種をつくった形となったが、その後は17年に当時の会津小鉄会五代目会長が六代目山口組の篠田建市組長=通称・司忍=と関係を深め、両者は親戚関係となった。

京都を縄張りとする一大組織も近年は他組織である山口組に翻弄され続けてきた。それでもかつての抗争や山口組との深い関係を知る当局は警戒を強める。捜査関係者は「会津小鉄会での内紛だけでなく他の組織との勢力図も慎重に見極めていく」と話している。










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